2008年05月31日

出来ましたね!

L・D・ブレスウェイト.jpg

脱力という感覚のわからなかった人も何度も回数を重ねる毎に
自分なりに何かを掴めるようになります。

1つ前の回で書いた通り「ちくわの喉」のレッスンを
初心者の生徒さんたちにやって頂きました。

それぞれに思いは様々なのでしょうが、脱力が大事だということや
自分がそれに対して気をつけていたか認識してもらうことには
どうやら成功したようです。

ボールに首を預けたままある1音を発声してもらい、音をスライドさせながら
オクターブ上の音まで声を伸ばします。
その間徐々にお尻を持ち上げて、大腰筋を常に引き込む事を意識してもらいます。


ちくわの喉と出したての1音目の音の伸びを記憶する事を大事にして
オクターブ上がった音色も出したての音と同じか自分で聞きます

声を出した自分が出した音を判定出来なければ困るのです。
しかもその間脱力が出来ているかの自覚も持てなければなりません。
気がつくまで辛抱強くやっていく他はないのです。

自分に足りないものを見つけられてこそレベルアップ出来るのですもの。

高音部がどうしても力を籠めてしまって出せなかった人も、
自分と相談しながらついに今日は成功しましたよ。

「頑張る」=頑な(かたくな)に張る

自分の頑なさにどうやら意識が行ったようです。


posted by キミコ at 15:37| Comment(5) | TrackBack(0) | レッスン風景 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月22日

ちくわの喉??

スブニール・ド・アンネ・フランク.jpg

19日の事をもう少し検討してみます。使える筋トレ

喉が開くという感覚は初心者の人にはわかりづらいかもしれません。
ボールを枕にする事だけに絞ってみます。
関西の人は特に喉を詰めて話す事が伝統?なので、大切な練習です。

まずはリラックスということを重視しましょう。
自宅でクッションを背にして全体重を預けている感覚を呼び起こします。

1 ボールを枕にして頭の重さを全てそこに預けます。
身体は三角座りでお尻の位置もリラックス出来る体勢を取ります。

首をボールに預けてぽかんと口を開けます。
そのまま口から冷たい息を吸い込んでお腹の底まで届くようにします。

ここからは想像を働かせて下さいね。

2 喉にちくわを呑み込んだつもりになります。
ちくわなら中が空洞ですから息が詰まることはありません。
吸い込んだ空気をちくわの孔から吐きだしてみます。
何度かそれを続けてみて下さい。

今度は本当に首の力が抜けているか呼吸をしながら注意を向けます。
吸った時にも吐いた時にもちくわの孔は同じ大きさを保っていますか?

3 確実に同じ大きさの孔を想像出来たら今度は舌の先を下の前歯に
軽くつけておきます。
舌に力が入っていませんか?ちくわの孔は同じ大きさが保たれて居ますか?

4 今は口角がすっかり下がってるのにお気づきでしょうか?
これでは暗い声しか出ないので、頬の肉に内側から膨らみを持たせてみます。
つまり口の面積を一層広くさせて耳の横のあごの関節が
耳側に引き寄せられるようにします。
頬の内側に空洞が出来たのを確認します。口角がこれで上がりましたね。

5 首から下の筋肉なんて全く気にしなくていいですから、ちくわの孔から
声を出してみて下さい。
丁度ちくわで笛を吹いてるのと同じ事をやっているつもりで。

喉にぽっかり穴が空いた何とも爽快な感覚があると思います。
色んな音の高さで確かめてみましょう。気持ちよければ正解です。

ここでもう1歩気がついて欲しいことがあります。

軟口蓋が上がってるのですがおわかりですか?
軟口蓋は舌先で上あごを辿っていって喉の奥の方の柔らかい舌触りの部分です。
高音部を出したいならここが上がってることが一番の条件です。
軟口蓋を上げるには頬が高くなることが条件なのです。

さて!これでお膳立てが整いました!

ではその体勢のまま声を出しながらお尻を持ち上げてみます。
その間大腰筋を常に引き込む事を意識します。
これで焦点の合った声が出たでしょうか?

低い音を出す時には長いちくわを吹いている感じで底の方に響かせます。
高い音を出すなら頬を一層膨らませて短いちくわを鳴らします。



あごの柔軟性再考
タグ:喉を開く
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2008年05月19日

使える筋トレ

プリンセス・ミチコ.jpg

先日生徒さんにこの筋トレをしてもらって居た時でした。

ボールを壁際に持っていって背中に当てて首をボールに預けます。
枕代わりにして気持ちよくなじむ位置に三角座りをしてお尻の位置を確定します。
きれいに膝から肩先まで一直線になるつもりでそのままお尻を上げます。
お尻の肉は内側に向けるような意識ですね。
お尻を使うと腹横筋が締まる感覚を養います。
任意の高さで声を長く引っ張って出し、その間大腰筋を常に引き込む事を意識します。


こうして発声をして喉に意識を移動させると喉の力が抜けて
ぽかんと空洞が空いたような感覚が訪れます。

そこでもう一歩私も同じ動作をして感覚を研ぎ澄ませてみます。
口の中に意識を移動させました。
頬の肉に内側から膨らみを持たせてみます。
つまり口の面積を一層広くさせてみました。

ということは・・・

顔の表面から見ると丁度ほお骨が高くなった顔に相当する訳です!
ということはあごの関節の動きが横に広がっていますよ。

物の見方って表だけで見たってだめなんだなあと強く思いました。

なーんだーって思われます?
でも私にはこれは大発見だったんですよ!笑

だってこれが出来ると軟口蓋を上げることが出来るんですから。
そうなると高音が出ない人にはこう出来ることはすごく大事なことなんです。

後、舌が引っ込むくせの人にも首をボールに預けて力を抜いておいて
舌を下の歯の裏に当てることを徹底意識すればかなり改善されるでしょう。

やっぱり生徒さんと一緒に動くことは大事ですね。


タグ:喉を開く
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2008年05月17日

体が楽器です

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と、これまで何度も説明してきました。
歌うという行為は自分の体を楽器として扱う事なのです。
ずっと読んで頂いている方には「まだ言ってるのか」と思われるでしょうが、
歌い出すとそんなことなんてすっかり忘れるだろうなと思います。
事実私も同じなんですから。笑
でもこれだけ皆さんに言えば、すなわち自分に言ってるのと同じ事なので
さすがにこれをすっかり忘れるということは無くなりました。

さて前回も前々回も「体を操作する」と書いています。
実はちょっと自分が書いた言葉に引っかかっています。
「体を操作」するなんて僭越かもしれないなあなんて・・・

車を運転するなら「操作」は確かにしますけれど、考えてみて下さい。
人は機械ではありません。
ある意味「操作」より「自分と仲良くする」かもしれません。

例えば「病気と仲良くする」という考え方があります。
病気と闘うのでなく、それを受け入れて順応して、たまにはそれを
健康のバロメーターにするという考えですね。
「一病息災」というまことに賢い病気との付き合い方でしょう。

急性の「病気」や「怪我」は闘う価値があるでしょう。
でも不治の病なら受け入れて仲良くする方が自分に対して疲れません。
病気を他者として、また悪いものとして「闘う」という行為は
それ自体疲れますでしょう?

「操作」するという行為は「管理する」という事でもあります。
一方が他方を「支配する」という事にも繋がるでしょう。

病気の自分を労る。「今日は具合は如何?」と自分に聞く。
「操作」するよりこの方が自分に優しいと思うのです。
常に自分を労って体と相談しながら歌うという事の方が
「歌う」という行為にはなんだかふさわしいかも知れません。

前々回にも書きましたが、筋トレだって自分の体に聞く事を忘れると
自分と相談するというクセをつけることが出来ません。

これにはもっと大きな意味も含まれているのです。

漫然と歌詞を歌っていませんか?
その背後にある意味や人にそれを伝えるという意志を感じていますか?
作者の意図を正しく反映させていますか?
演奏者の義務や役目を果たしていますか?

歌詞と相談しながら歌う」という考えは
これが前提なのです。
歌詞と寄り添って歌うのが歌だと私は思っています。

「喉の運動会」になっている歌手が時々居ますね。
自分の声や技術に酔いしれて何も伝わらない歌・・・
スキャット専門にすればいいと思いますが。笑






posted by キミコ at 23:37| Comment(2) | TrackBack(0) | 歌 関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月16日

生徒さん達の変化

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相変わらず筆が進んでいません。
ただ、今は「歌声喫茶」の新しい歌詞集を作ったので、それに追われているんです。
地味な作業が新しい楽しみを作るので、面倒ではありますけれど
お客さんの和んでいる顔を思い浮かべながら作業に励んでいます。

私の思惑と生徒さん達の体感が一致しないと私の仕事は意味がありません。

なぜボイストレーニングをするのかということを折に触れて説明していますが、
それを理解してもらっている事がわかるのは、その生徒さんの
歌や声だしについての周囲からの反応でしょう。

ある熟年の生徒さんは同年代の人たちとカラオケに行ったそうです。
その方曰く「余りの私の声の大きさに腰を抜かす位びっくりしたと言われた」とか。

コーラスを長年続けていた人は
「コーラスの先生の言われることが今まで理解出来なかったけれど、
先生にお話を伺っていたので最近意味がわかり出しました。」
私と同じ事についてコーラスの先生がお話されていても、表現が違い、
また説明不足だと意味がわからないことは往々にしてありますものね。

またロックのボーカルをやっている人が非常に喜んで
「後ろでしゃべっていた人たちが、私が歌い出すと前まで来てくれて
じっと聞いてくれました。こんなの初めてです。」
この人は歌声が周りの楽器にかき消されて困っていたのです。

この人はこんな風にもお話してくれました。
「自分の体を楽器として使うという事についてわかってきたので
操作する事がもっと巧くできるようになりたいです。」

シルバー世代の方は
「ずっと体調不良だったのが、筋トレやストレッチを教えてもらった事で
お医者さんに頼り切っていたけれど、自分でも努力しないといけない
と思うようになりました。」
「自分の体について何も知らなかったことがこの年になってわかって悔しいです。
もうちょっと若い時に先生にお会いしたかった。」
としみじみ言って頂けました。

仕事をやっていてつくづく嬉しいと思う瞬間です。



posted by キミコ at 21:06| Comment(0) | TrackBack(0) | レッスン風景 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月09日

体の操作なんですけれど・・・

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最近なかなか更新出来ません。
気持ちがそうさせないのです。無理に書くほど疲れるものはありません。
気持ちに忠実にゆっくり更新致します。
まことに愛想の悪い事で申し訳ありませんが、よろしくおつきあい願います。

今日もレッスンで気づいたことを書いてみます。

レッスンでは軽いストレッチから各自に応じた筋トレをしてから、
いや、最近はしながら声を出すことが圧倒的に多くなっています。

生徒さん達は毎回皆熱心に自分の声を追求しています。
それは良いのですが、元々筋トレというものは決して気持ちよく
出来るというものではありません。
かなり苦痛な体勢で声を出すことになります。
それを堪え忍ぶのが発声練習だと思ってる節があるようなのです。

今日もじっと生徒さんの様子を観察していますと声なら声、
筋トレなら筋トレに気が向く余りに2つのことを同時に出来ません。
何のために声を出しながら筋トレをしているのか
さっぱり理解されていないのです。

黙って筋トレをするのと声を出しながらするのとでは明らかに
声を出した方が使っている筋肉を意識出来ます。
声を出してどこを使っているのか理解して頂くための
筋トレなのですけれど・・・

声を出しながらその苦痛な体勢の中でもどうすれば
苦痛を和らげられるか探して見て欲しいのです。
つまり体を操作するのが目的でもあるのです。

体のどこを意識するかでふっと余分な力が抜けたりするから不思議です。
例えばバランスボールに腰掛けて片足を床から離す動作だって
黙ってやれば足元がヨロヨロするのですが、声を出してすれば
途端に腹横筋が意識出来て足が決まることがあるのです。

そこにお尻の力でボールを後ろにキープする事を覚えれば
もっと体は揺れなくて済むのです。

もっと熟達してくるとお尻とボールの関係について気づくのです。
ボールに対するお尻の位置を動かさなければもっと安定するし
自分を「コマ」の芯だと自覚出来たら地面に垂直に立てているのを
理解出来るのです。

その時のお尻の感覚のままそっと立ってみると地面に対して
しっかり垂直に立てるようになるのです。
自分のしていることに対して「哲学」する事・・・
これは「野口体操」の分野ですけれど、発声練習にも
十分通用することでもあるのですね。

今日の生徒さんは見事にそれを見つけてくれました。


タグ:発声練習
posted by キミコ at 00:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 内的感覚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月02日

困ったもんです・・・

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最近新しく入会された生徒さん。
きっと70才前後なのでしょうが、お訊ねしても明かしませんので
あくまで私の想像です。
若い頃から運動を続けてこられたので身体能力は抜群です。
バランスボールの筋トレも私と同じように軽くこなします。

必ずおいでになってから前回終わってから体調はいかがですかと
お訊ねすることにしているのですが、何も変わったことはないと言われます。
何も困ることはないじゃないか!と言われそうですね。

前回はつい軽くこなされるので、私も調子に乗ってつい深入りで
少しキツい目の筋トレをしてしまいました。
若い人なら全く何ともないでしょうが、仰向けになって
下肢を操っての筋トレをしたのです。

ボールを膝の間に挟んでお尻を持ち上げてみたり、三角座りでボールを
捧げ持って座骨でバランスを取って後ろに傾く筋トレをしたのです。

その後発声練習に移ったのですが、少し高音域になると声がかすれて
出なくなりました。
初心者の人には高音域を出す経験がないので、つい首に力を入れて
無理矢理に絞り出そうとしがちなのですが、同じ事をお年を召した方がされると
失声状態になるようなのです。
私もまさか自分が70代の方にレッスンをする事になるだろうとは
考えた事もなかったので少々慌てました。

つまり発声時に声門が開いたままになってしまうので声がなくなるのです。
私にしては初めてのことでとてもショックな出来事でした。

色々考えてみたんですよ。
筋トレで無理をさせてしまったかとか、筋トレの方法をもっと考えるべきだとか・・・
じゃあもっと年齢を考慮して筋トレは止めようとか。

でも夫も60才を過ぎていますので、ジムで上半身に負荷がかかる運動をすると
帰宅してから必ず痰が絡んだようなしわがれ声になるので、
明らかに喉周辺に対してオーバーワークな状態なようです。

今日もその方が気になっていたのでじっと観察していました。
どうも声門同士を過剰にくっつけてる風な出し方です。
軟口蓋(上あごを舌で辿っていくと奥が柔らかくなっている場所)を
しっかり上げるように指示をしておきました。
高音域になってくると口を横に引くようにして下あごを下げてもらいます。

段々声が出なくなってきました。
こうなるとその驚きでうろたえるようなそぶりが出てきます。
声が出ないことに慌ててしまって対応を忘れてしまうのでしょうね。
せっかくの筋トレで覚えた体の動かし方はそっちのけになります。
そこで胸と喉を圧迫することを始めてしまうのでしょうね。

これではレッスンにならないので一気に音域を下げてまた体勢を
立て直して緊張をほぐして頃合いを見計らいます。
合間に喉のマッサージもして頂きます。
再度挑戦と思ってまたさっきの音域にアプローチします。
やはり出したことがないという思いがあるのか挑戦することを
あきらめてしまわれるようです。
こうなると心理的ダメージを植え付けるのが怖いので、レッスン終了!

何度も時間を掛けて挑戦することでハードルは下がっていくものなのですが・・・

さて・・・どう切り抜けましょうかねえ・・・
posted by キミコ at 23:54| Comment(2) | TrackBack(0) | レッスン風景 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする