2009年04月28日

あごを下ろすというもう一つの理由

エンジェルフェイス.jpg

今図書館から呼吸法に関する本を借りて読んでいます。

ベースボール・マガジン社  「はじめての呼吸法」

平易な文章と読みやすく機能的な流れですいすいと読むことが出来ますよ。


運動と呼吸に関する色々興味深いことが書いてありますが、
その中でへえと思ったことを書きますね。



私が生徒さんの歌う時に口を酸っぱくして言う言葉

「あごを引いて!」

ここのブログ内でもタグで「あご」と書くとどっと関連したものが
出てきます。

例えば あごで左右される背骨など典型でしょう。

借りてきた本の中であごを弾かなければならないもう一つの理由が
ありました。

まず本の中に換気量という言葉が出てきましたので
その定義を・・・

「肺の働きは、空気中の酸素を取り入れ、体内で産生された
炭酸ガスを排出することです。呼吸は延髄にあると考えられる
呼吸中枢からの刺激により横隔膜などの呼吸筋が働き、
息を吸入したり呼出したりしています。
一回の呼吸量を一回換気量といいます」(難病情報センターのHPより)

普段の安静時換気量は500mlでそのうち喉や気管支にあって
肺胞まで届かない空気は150ml。
口腔内と咽頭部分の容積は約65mlなのだそうです。

首を曲げてあごを引くとこの値は約35mlに減少。
あごを突き出して首を伸ばすと100ml以上に増加する。

同じ500mlでもあごを突き出すとガス交換(酸素を取り入れ
炭酸ガスを排出すること)出来る量は315mlだが、あごを引くと
380mlに増える。
つまり換気量が2割増える計算ですね。

あごを引くだけで無駄な呼吸を減らすことが出来る

なるほど!今度から生徒さんにそれも説明しましょう。



またそれに付随してこんな事も・・・


頭の重心はいつも頸椎より前にあるから首には常に前に
垂れようとする力がかかっています。
これに逆らって首をまっすぐ立てるために首の後ろ側には
強力な筋肉が配置されています。

上を向く時にはこの強力な筋肉が首を後ろに引っ張り、それが
首を回したり下げたりするための筋肉に伝わってそれが接する
胸骨や鎖骨を持ち上げる力になる。
その結果胸郭が広がり息を吸うことになる。


皆さんも首をあげて見てください。
確かに自然に息を吸う体勢になっていますね。
首を前に突きだして下さい。
これも自然に吸う体勢になっているでしょう?
この状態で息を吐いてみて下さい。
どれだけ苦しいことか!

歌唱時にあごを引くのは本当に理に適った方法ですね。




posted by キミコ at 16:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 身体・筋肉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月26日

喉声で歌う人に

シャポー・ド・ナポレオン.jpg

大きな声で「元気よく」叫ぶのが歌だと思っている人が多いですね。
聞いているこちらが喉が痛くなってしまいます。

歌った後に喉が痛い、疲れる、声が嗄れてしまう・・・

初心者に多いお悩みNO1でしょう。


困ったことにこれが身に付いてしまうと発声練習ではいくらきちんと
出来ていても、夢中で歌ってる間に元の木阿弥という場合が多いのです。
だから発声練習でなく実際に曲を使っての実践練習をしているのですが。



ではどうしたら効率の良い練習が出来るでしょうか。


まずは「喉が開いた」という感覚を覚え込んでしまうことですね。

関連記事
暖かい息
ちくわの喉?

次に「声帯が閉じる」という感覚へのアプローチです。

関連記事
嬉しい!

それを進化させたレッスンを昨日試してみました。

1バランスボールに乗って骨盤の前傾後傾をします。歌う時の息の練習
2番目の
「後傾した体勢時に口から息を吐きます。きっと初めは
ゆっくりした動きでしょうが、今度は素早く後傾してみて下さい。」
の息の代わりに「S」の子音のみを発音します。

2「S」で喉が解放されている感覚を掴んだら次は「S→Z」を試します。
「Z」に音がチェンジした時に下腹部の収縮と息の流れを同じにして、
上の歯の所に振動を感じます。

息の流れがなかったり、喉が閉まったままだと母音「U」が後ろについてしまいます。
概して関西人は残りやすいようです。
しかも子音という概念がわからず無声化の意味が掴めません。
例えば「酢」と発音する時に「酢う」と母音がしっかり後につきますから・・・


3「Z」までが出来るようになったら閉じていた上下の歯を息の流出を利用して
一気に開けます!
すなわち「A」の発音になりますね。

この練習は声帯が最も解放された自然な状態で息によって「鳴らされている」という感じを掴むためのものです。

必ず腰の前傾後傾が発音と伴われないと意味がありません。
発声に夢中になって忘れていませんか??


4これにしっかり慣れて感覚が掴めたら「s→Z」の部分の下腹部の
収縮と息の流れを意識して口の中または頭の中だけで「s→z」を言い、
母音部分をはっきり上下の歯を開けて発音します。

これが常に出来ないといつまでの喉は痛いし、疲れるし、
声が嗄れたままでしょう。
こんな状況からはさっさと一歩踏み出しましょうね。









posted by キミコ at 15:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 発声 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月25日

筋トレだって発声だって

370880472_85.jpg

先日ジムでボディスキャンをしてきました。
つまり身体のパーツの筋肉量や脂肪量を計測したのです。
一昨年から2年ぶりでしたが結果は当然良好です。
殆ど毎日のように身体を動かしていて悪いはずがありません。
BMIも下がったし筋肉量が随分上がっています。

一昨日はダンベル、昨日はチューブ体操のスタジオに入ってみました。
どちらも滅多にやらないのですが、種目は違えど意識するべき筋肉を
考えれば効率よくフォームも決めて動くことが出来ます。

もっと効率を上げたいのなら骨盤底筋群に意識を持っていけば
同じ運動でもかなりハードな感覚にすり替わります


もしボディスキャンを昨年受けていたとしたら
昨年時点で大して一昨年と数値は変わらなかったと思うのです。
昨年暮れから骨盤底筋群について意識が出来るようになって
自分の身体の中の感覚がすっかり変わりました。
それがあの数値に反映されたと思うのです。
ピアノの音量も半端なく上がったのもその反映だろうと思います。

筋肉への意識が持てるようになれば発声した時にも応用出来ます。
発声練習は筋トレですから、身体が喉を支えるのです。
余程喉に器質的欠陥でも無い限り発声に問題があるとするならば、
身体がきちんと機能していないのです。
声の所為にする人も居るのですが実は間違っています。
あなたがきちんと身体を使い切れていないからなのです。


posted by キミコ at 15:57| Comment(2) | TrackBack(0) | 身体・筋肉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月15日

胸の上部を上げる その2

134714641_75.jpg

前回書いた胸の上部を上げるについて補足をしておきます。

今日も生徒さんの歌を指導していて思い出した・・・というより
自分はしているのに・・・事がありました。

胸が上がらないと高音域で歌詞の発音が出来ません
何も高音域に限らず低音域で続くメロディがある場合も必要です。

またメロディの中で段々声を大きくしていきたい場合も使います。
ここを一番大きく声を出したいと思う場所の前から声を出しながら
胸を高くしていきます。

では反対に声を小さくするから胸も下ろせばよい!ではないのです。
面白い事にしっかりと肋骨を張っていかないと声が揺れてしまうし
息が漏れてしまうのです。

もちろん歌い出しから鼻から息を吸って胸をある程度高くはしますが、
上記のような場合は途中で切り替えをしなくてはいけません。

胸を上げずに歌っていた人には特に効果は大きいと思います。
試してみて下さいね。



posted by キミコ at 23:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 発声 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月08日

胸の上部を上げる

332010465_16.jpg

前日の記事知らなかった!に書いたことで再認識したことがあります。

生徒さん達はどうしても口で息を吸おうとします。
それは私自身もそうだったし、余りに他にしていることが煩雑で
つい忘れてしまうからなのですが・・・・

「知らなかった!」でわかったことを昨日の生徒さんに話をしました。
もちろん何度も言っていることなので「わかってるけど・・・」と
いうような顔をしていましたがやはり出来ません。
この人はつい先月から声楽を始めたばかりで右往左往している状態なので
益々鼻から吸う事がおろそかになってしまうのです。

声楽は音域が高いのでそれだけでも歌うのに困難なのですが、
それを困難にしている要因に「胸を上げる」事があるのです。
胸が上がらないと高音域で歌詞の発音が出来ません。

私が前回驚いたように記事を書いたのですが、声楽をやって来た
者にとっては知らず知らずのうちに鼻から吸うことを習得して
しまっていたので、改めて他の分野の人から聞くと驚いてしまうと
いう訳なのですね。
そうしないと高音域のオペラのアリアは歌うのが不可能なのですから。

気の毒なこの生徒さんは昨日のレッスンの間中ずっと
「口を閉めて!鼻から吸って!」と1呼吸毎に言われていましたよ。

先ほどですが私事ではありますが、娘が割とオペラ好きで
何かアリアを歌いたいというので先日モーツァルトの曲をやりました。
それをユーチューブで見て自分で一通り練習して夕食後に見てくれ
と言うので発音を直して音の取り間違いを直してと一通りの事を
ざっとやってみましたが高音続きで相当疲れておりました。

一応分野は違いますが発声法は学んでいますので一通りの
声は出ますが生憎筋肉を使いこなせないのでバランスボールを
させてみました。
初めてのことで座るのも大変という状態でふらふらになっておりました。
そう考えると熟年の生徒さん達は良くやっているんだなあと
改めて感心致しましたよ。
やはりきちんと身体の操作をできることが歌う第一歩なのですね。


posted by キミコ at 22:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 呼吸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月07日

知らなかった!

310462837_67.jpg

長いこと当たり前のようにやって来たことで全く自覚のないことって
身の回りで多くないですか?


いつも通りにバランスボールのスタジオに出ました。
いつも通りにバランスボールの上に座って足を腰幅に広げ
膝と足先の向きを同じにして大腰筋を引き込み
おへそとみぞおちの間を開けてお腹と背中の間を薄くして
両手を上に上げるポーズを取りました。

その時に言われたこと

鼻から息を吸うと胸の上部が上がります。」

ものすごくはっとしました!!

だって口から息を吸い込むのがよくない事は先生達に
歌を始めた頃から散々言い続けられていましたからね。
でもどの先生にも胸の上部が上がるからだと言われたことがなかったのです。


続けて言われたこと

胸の上部が引き上がれば腰のS字カーブが生まれます。」

どれも検証してみればまさにその通りでした。



やはり身体の事については知識がないとだめですね・・・

posted by キミコ at 00:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 呼吸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月05日

こんな話を聞きました

214595597_111.jpg



昨日は「歌声喫茶」の日でした。
あいにくの雨でお客様は非常に少なかったのですが、
その中をお越し頂けたのですから大いに感謝です。

そんな中喫茶店のご近所に住んでいらっしゃる年配の奥様が
こんな風に話をされました。

「主人と二人暮らしで大した会話もなく、病気で一時声が出なかった
こともあってどんどん声が小さくなっていくんです。
ここで調子はずれで歌って他の方にご迷惑かも知れませんが・・・」
それで一念発起してご来店頂いたという訳です。

「昨日のためしてガッテンをご覧になられましたか」で書いたようなことが実際起きたようです。
他のお客様もお年を召した方はそんなことを時々言っておられます。

声を出さないことで健康に響くなどということは殆ど誰も
予期しないことですね。
もちろん声帯周辺の筋肉だって加齢で固まって高音も出しにくいし
呼吸器だって使わないと息も短くなってくるでしょう。
単にストレス発散だなどと短絡的な話ではありません。

加齢による衰えは確かにある程度仕方がない事だと思います。
しかし例えば年取ったから歩けなくなったということを
じゃあ仕方がないで済ます人はまず居ないと思いますね。
きっとリハビリをして機能回復を考えられると思います。

声も同じ事です。一人暮らしだからしゃべる必要がないので
止めておこうではいけないのです。
人間は群れていないと生きていけない動物でもあります。
他者との意思疎通に事欠いたり、増してそこから自分の生存を
損ねるような事になっては大変です。
自分の持っている声の機能をたまには活かす機会を作らないと
どんどん機能は損なわれていくのです。
あなたの唯一無二の声を死ぬまで使って頂きたいものです。

話が全く逸れます。

昨日喫茶店のママさんからこの店を5月中に畳みます
と言われました。
常連さん達にはどうやらまだ知らされてはいないようです。

せっかく軌道に乗った「歌声喫茶」はさてどうなるのか・・・
これから動きが出てくると思いますが。
posted by キミコ at 13:12| Comment(2) | TrackBack(0) | 「歌声喫茶」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月03日

歌うことは一生の楽しみ

55076906_115.jpg

この記事を書いてからちょうど1年経っているんですね。
テレビを見ていて
私はこれに秋元順子さんの事を書いています。
その頃は未知の人でしたが今やすっかり時の人となられましたね。
あきらめずに自分の道を貫き通したということが、彼女と同年代の人の
希望の星となっている訳でしょうか。
若い歌手がもてはやされる中、安心して聞ける歌手が中高年でも現れたのが
私にも嬉しいことです。


私が若い頃には同年代の友人達もあちこちの演奏会に出て歌っていました。
でも今や見回しても一握りの人間しか歌うことを日常としていません。
せっかく志した道を自ら蓋をするのは勿体ないことです。
私なんかあきらめの悪い人間ですから、それで何とか
なっているのかも知れませんね。

秋元さんも一時家業や育児で空白時間があったようです。
でも歌いたいという意志は心に持って居られたと思います。
女性の平均年齢も高くなり、健康状態も心がけさえしていれば
若く保てる良い時代です。

声楽は筋肉を非常に必要としますので日頃の鍛錬は欠かせません。
でも他の分野ならそれほどに筋肉を張るものではありません。
ある程度の状態を保って歌うことをあきらめなければ
若い歌手より遙かに人生経験もプラスされて「聴かせる歌」を
歌うことが出来るのです。

確かに中には歌の中に「澱(おり)」を溜め込んでしまっている人も居ます。
経験が歌の邪魔をしてしまっているということでしょうか。
生き様が確実に歌に透き通って見えてしまう所が歌の怖い所です。
若い時からの心がけは非常に大事だということでしょうね。
美しいものを素直に美しいと心に留められる生活は捨ててはなりません。

posted by キミコ at 11:30| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする