2012年11月29日

肋骨を広げる 3

ブラスバンド(米).jpg

昨日の記事に続きます。

1,2で息を吐く方のことは何も書いていませんでしたが、
ここで初めて出てきます。

両肩先を床に近づけるようにして、無意識に息を吸ったら
(意識しない方が歌うには有益です。)
今まで肋骨に手を当てていたのを、下腹に移します。
おへその下辺りに両手を移して、息を吐くときに下腹の肉を
引き上げるようにして息を吐きます。


そうすることによって何が起きるか・・・・

肋骨を引き上げていた時点では骨盤前傾だったことはお分かりですよね?
今度は息を吐くことによって、骨盤後傾になります。
今まで引きあがっていた腰の反りがなくなって、床に腰全体がべったりと
着く事が観察されるのではないでしょうか?

下腹の肉を引き上げる事で、益々骨盤後傾が促進されますね。
つまりこれは以前に書いた恥骨は便利と同じ事なのです。

私は最近ピラティスのスタジオに時々入るようになりました。
かつて何年か前までは入っていたのですが、時間が合わなくて遠ざかっていました。
久しぶりに入ってみて「インプリント」という言葉であっと思いました。
「恥骨は便利」と発見したつもりで、実はその何年か前の時点に獲得していて
言葉は忘れていても無意識に身体が反応したのでしょう。
身体は本当によく覚えているものだと、思わず苦笑しました。

歌う時にはこの骨盤後傾をわずかですけれど使います。
なぜわずかでよいのかというと、おへそとみぞおちの距離が
縮まっては困るからです。
既に理解されているとは思いますが、おへそとみぞおちの距離が縮まる事は
すなわち横隔膜が上がる事を意味します。
横隔膜が上がると肺が縮まります。それでは呼気は保持されません。

肺を広げて、なおかつ骨盤後傾ってすごく矛盾した動作です。
実際に実行されるとおわかりでしょうが、筋力が必要だと痛感されることでしょう。
特に腰が引きあがる力が相当に必要です。
そのためにこの苦しいトレーニングが必要だし、実際にやってみると
どれほどこのトレーニングが有効かご理解頂けるでしょう。

下腹の肉を引き上げるという動作をマスターされると、
腹筋のトレーニングが正確にできるようになります。

この項終わります。




posted by キミコ at 22:47| Comment(4) | TrackBack(0) | 身体と声作り基礎編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月28日

肋骨を広げる 2  注意事項加筆

ルンバ.jpg

昨日の記事に続きます。

ボールが背中にめり込んで、かなり苦しいと思いますが。

トレーニングの方法がわかったら、肋骨を横に広げながら持ち上げると同時に、
両肩先を床に近づける努力をしましょう。

(「〜〜するよう努力をする」という慣用句は私が通っているジムの
トレーナーさんの口癖です。笑)

こうすることで、大胸筋のトレーニング、そして肩甲骨の間にある
菱形筋の何よりのトレーニングになります。
非常に苦痛です。頑張ってくださいね。

感覚としては背中からボールを突き上げられるという感覚、
同時に腰が上方に引き上げられている事の両方が必要です。
この感覚が歌っているときに胸を広げ、体を上に引き上げる感覚を
作るのです。

しっかり書き忘れていました!

肩先を床に近づける時ですが、生徒さんたちを見ていますと、
肩先を横に広げるどころか、肩をすくめる動作を使ったりする人もいます。
肩先の感覚は持ち合わせていない人が相当数存在します。
日本人は特に肩先を前方に丸めるくせを持っていますからね。
感覚としては首を長くする事でしょうか。
よく自分の動作を確認されることをお願いいたします。


続きます・・・・
posted by キミコ at 17:44| Comment(8) | TrackBack(0) | 身体と声作り基礎編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月27日

肋骨を広げる

アルバークィーン(英).jpg

仕事と予定が多くて、なかなか更新ができなくて、遅くなってしまいました。
最近は肩甲骨というより、肋骨という単語がレッスン中によく出ます。
肩甲骨の裏側は肋骨ですからね。生徒さんたちは私に、散々肩甲骨を
注意されまくっていたので、肋骨という単語は新鮮かもしれません。

こちらの4番目のトレーニングですが、
みぞおちを上げるというメリットの他には、肺の拡張の妨げがなくなるので、
肺を広げるという、歌うためには大きな要素が満たされます。

意識して肋骨が使えるようになって、他の筋肉との連携が取れるようになると、
ロングトーンが軽々とできるようになります。
喉に問題さえなければ、声に艶や張りが出るのももちろんです。
そりゃ当然ですよね。楽器が何段もグレードアップするわけですから。

私もこれをずっと続けてトレーニングしているのですが、意外と広げるのが
難しいものだという事を実感しました。
呼吸は誰でもほぼ無意識ですから、わざわざ肋骨を広げる必要は
日常生活にはありえませんもの。
つまり脳から指令を伝えさせるために、まず脳のしつけが必要なのです。

肋骨を横に広げるだけでなく、持ち上げることも大事です。
持ち上げるためには、大胸筋を育成することが必要です。
そのためには肩甲骨の間にボールを入れることが効果的です。

でもこれがかなり苦痛なのです。涙
少しは痛い目をしないと、脳を育成することができません。
私も生徒さんたちと必ず一緒にトレーニングをしますが、
これまでに一度も楽だと思ったことはありません。

先に注意事項を書いておきます。

1、ボールはあまり膨らませない方がいいです。
膨らみが大きいと苦痛も大きくなります。

2、やってみるとお判りでしょうが、頭部が下がりますので、
血圧の高い方は頭の下にタオルを畳んで敷いた方がよろしいでしょう。

3、肋骨を広げるためには効果的ですが、あまり力を籠めすぎないで下さい。
周辺の筋肉痛を後で感じることになります。
身体と相談して、何事もほどほどに・・・


方法

仰向けに寝ころんで、足は膝を曲げて立てておきます。
手はお尻の側に手のひらを下にします。
肩甲骨の間より少し下にボールを当てます。

1、肋骨の下方に手を当てます。肋骨の尖ったところですね。
息を吸い込んで・・・と言いたいのですが、あまり意識しすぎないように。
ご存じのとおり、歌うためには吸う意識はかなり邪魔をしますからね。
肋骨を横に広げる事を、息を吸う事より優先させてください。

2、肋骨を横に張り出す感覚と共に、みぞおちを突っ込む感覚を覚えます。
つまり腹横筋を必ず一緒に使わなければいけません。
この感覚を伴わない限り、どんな運動をするにしても効果は期待できません。

みぞおちを突っ込む、とは乱暴な言い方ですけれど、前方から見て、
胃が突き出ているように見えては腹横筋の活性が期待できません。
膨らんでいる所を斜め上方に引き込みます。
同時におへその少し上の辺りも引っ込ませる事が大事です。
おなかを引っ込ませたい人にも成果が期待できるトレーニングです。


3、肋骨を横に張り出したら、肋骨の間に置いている指に少し力を入れて
上に引っ張り上げます。もちろん腹横筋の感覚は抜いてはいけません。
1,2,3を実行している間中、骨盤は前傾している事を意識します。
上に引っ張り上げられたら、普通に息を吐いて、元の態勢に戻ります。


続きます・・・




posted by キミコ at 13:08| Comment(2) | TrackBack(0) | 身体と声作り基礎編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月17日

お久しぶりです

アルバークィーン(英).jpg

もう4か月も空いたのですね。大汗
私自身は相変わらず仕事を楽しんでいますよ。

私が生徒さん達に与えることも当然多いですが、
それにもまして私が与えられることもとても多いなあと思います。
今日は思いもかけない事を教えられたので、書いておきます。

最近の私の関心はもっぱら肋骨なのですが、ここが広がらないと
肺はもちろん広がらないし、呼吸も浅くなる事は、どなたもよくご存じですね。
これまでの私は歌うときには、肋骨のことなど、意識を特にしたことはありませんでした。
しかし、広げることに意識を持つことができると、とても楽に歌えます。
もちろん、意識だけではだめですよ。やはり筋肉を使いこなせないと。→こちら

そういうわけで、最近はもっぱら肋骨を広げるトレーニングを、
集中して生徒さんたちに課しています。→こちら
私自身何度やっても苦痛です。
でも、それをする事での効果はとても大きいです。
「こんな風に肋骨を広げるのだよ」と、自分の脳に叩き込むのです。
ボールが肩甲骨から胸の方に突き上げる感覚を覚えることで、
上部肋骨がしっかり引きあがるのです。

この感覚を獲得した上で声を実際に出すわけなのですが、
そこで発見したのです。
私自身全く思いもかけない事でした。

首を突き出すくせのある生徒さんのレッスンだったのですが、
首を突き出さないために一生懸命あごを引いています。
それはとてもよい事なのですが、そのために目線を下げている。
視線をまっすぐではなく、ちょっと下げている状態なのですが、
ふと気が付きました。
首の後ろが前方に突き出たがるのを、必死で抑え込んでいる様子が見えます。
この人は目線を下げることで、肋骨を広げることができないと・・・

自分でやってみると、どんぴしゃでしたよ。
視線をまっすぐな状態で肋骨を広げる。

視線を下げて肋骨を広げる


実際にやってみてください!
あごに変に力が入ることで、肋骨がしぼみませんか?
その結果、首の後ろにも力が入って首が固定されてしまう。


心当たりのある方はいませんか?

posted by キミコ at 22:49| Comment(7) | TrackBack(0) | レッスン風景 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする